日本人で読書をする人はどれくらいいるのか
日本においては、読書をする人は比較的多いとされています。2021年に実施された文化庁の調査によると、15歳以上の国民のうち、週に1回以上本を読んでいる人の割合は68.7%であり、男女別では男性が62.6%、女性が74.7%でした。正直私が予想していた以上に多い結果となりました。また、読書量についても、年代別に見ると、高齢層ほど多くなる傾向にあります。
しかし、年代別で大きなばらつきが見られることも分かりました。調査によると、60代以上の人は週に2時間以上読書する人が50.2%にものぼり、逆に、20代以下の若い世代は週に2時間以上読書する人が23.9%であったという結果が出ています。若者の読書時間の減少が1つ課題として明らかになりました。
ただし、スマートフォンやパソコンなどのデジタルメディアが普及した現代では、書籍以外の情報収集方法も多様化しており、若年層を中心に、書籍を読む時間が減っているという指摘もあります。
若者の間で読書時間の減少が見られるのはなぜか
若者の読書時間減少についてその要因についてさらに詳しく見ていきましょう。その要因は複数ありますが、以下に代表的なものを挙げてみます。
- スマートフォンやタブレット端末などのデジタルデバイスが普及したことにより、テキスト以外の多様な情報が手軽に入手できるようになったこと。
- ソーシャルメディアや動画サイト、ゲームなど、娯楽や情報収集手段が多様化したことにより、読書以外の娯楽に時間を割くようになったこと。
- 教育や就職などの社会的な競争が激化し、時間や労力を費やすことが求められることから、余暇時間が減少したこと。
- 外出自粛やリモートワークなど、COVID-19パンデミックによる社会的な状況が影響していること。
以上のように、デジタルデバイスの普及やライフスタイルの変化などが、若者の読書時間の減少につながっていると考えられています。
これからの時代に読書は必要か
では、これからの時代に読書は必要なのでしょうか。
私の考えとしては、これからの時代においても、読書は非常に重要であると考えています。以下に、その理由をいくつか挙げてみます。
- 知識や情報の習得に欠かせない
読書は、本を通じて知識や情報を習得することができます。特に、ビジネスや学問分野の専門書など、専門的な知識を身につけるためには、書籍を読むことが必要不可欠です。 - 想像力や創造力を刺激する
読書は、物語や詩などの創作作品を通じて、想像力や創造力を刺激することができます。そのため、アイデアを出したり、問題解決の能力を高めるなど、創造的な活動に役立ちます。 - 読解力や表現力の向上につながる
書籍を読むことで、文章を理解するための読解力や、自分の思考や感情を文章で表現するための表現力が向上することが期待できます。これらのスキルは、ビジネスやアカデミックな場面で非常に重要です。 - ストレス解消やリラックスに役立つ
読書は、ストレス解消やリラックスに役立つことがあります。本を読んでいる間は、現実世界から離れて、別の世界に没頭することができるため、心身ともにリフレッシュすることができます。
以上のように、読書にはさまざまなメリットがあるため、これからの時代においても、読書は必要であると私は考えています。
読書にはデメリットはないのか
とはいえ、読書にデメリットはないのかと言われると決してそんなことはありません。
一般的に、読書には多くのメリットがあると言われていますが、デメリットもいくつかあります。以下に、その代表的なものを挙げてみます。
- 時間と集中力が必要
読書は、集中して本を読むための時間とエネルギーが必要です。長い時間、集中して読書をすることができない場合は、読書効果が薄れる可能性があります。 - 間違った情報を受け取る可能性がある
書籍によっては、内容が正しくないものや偏った情報が含まれている場合があります。そのため、信頼できる情報源からの書籍選びが重要です。 - 身体的な問題が起こる可能性がある
長時間、同じ姿勢で本を読んでいると、首や肩、腰などに負担がかかることがあります。また、暗い場所での読書や、細かい文字での読書は、目の負担を増やすことがあります。 - 読書によるストレス
一部の書籍には、過度に暴力的な描写や不快な内容が含まれている場合があります。そのような書籍を読んでストレスを感じる人もいます。
以上のように、読書にはデメリットもあるため、適度な読書を心がける必要があります。例えば、長時間、同じ姿勢で読書をする場合は、定期的に身体を動かしたり、ストレッチをしたりすることで、身体的な問題を防ぐことができます。また、ストレスを感じやすい人は、暴力的な描写や不快な内容が含まれている書籍を避けるなど、自分に合った読書スタイルを見つけることが大切です。
これから読書習慣を身につけたい方へ
まずは、自分に合った読書スタイルを見つけることが大切です。例えば、好きなジャンルやテーマの書籍を選ぶことで、興味を持ちやすくなるかもしれません。また、時間がない場合は、短い記事やブログを読んでみるのも良いでしょう。
次に、読書習慣を継続するために、読書時間を確保することが大切です。例えば、毎日少しずつ読書時間をとるようにする、通勤時間や休憩時間などを活用して読書する、読書する場所を作って集中する、などの方法があります。
また、読書をすることで、自分自身の成長や多様な視野を広げることができます。読書をすることで、新しい知識や経験を得ることができ、自分自身の考え方や価値観を深めることができます。
最後に、読書習慣を身につけるためには、継続することが大切です。最初は簡単な本から始め、少しずつ難しい本にチャレンジしてみるなど、徐々にレベルアップしていくことが大切です。読書が自分自身の生活になじむように、少しずつ取り入れていきましょう。
まずはこの1冊から
これから読書習慣を身につけたい方におすすめの本は、人それぞれ好みがありますが、以下のような本が初めて読書習慣を身につけるのに役立つと思われます。
1.『君たちはどう生きるか』吉野源三郎著
日本の哲学者である吉野源三郎が、自分の考え方や生き方を語った書籍です。人生を考える上で、重要な視点を与えてくれます。
漫画 君たちはどう生きるか [ 吉野源三郎 ]
君たちはどう生きるか [ 吉野源三郎 ]
2.『風の又三郎』宮沢賢治著
自然や人間の営みを独自の感性で描いた童話集です。美しい言葉や物語の世界観が、読書習慣を始めるにはぴったりです。
風の又三郎改訂 宮沢賢治童話集 (偕成社文庫) [ 宮沢賢治 ]
3.『ノルウェイの森』村上春樹著
現代文学の代表的な作家である村上春樹の作品です。恋愛や人間関係をテーマに、深い感情表現が織り込まれた小説で、多くの人に愛されています。
ノルウェイの森(上) (講談社文庫) [ 村上 春樹 ]
ノルウェイの森(下) (講談社文庫) [ 村上 春樹 ]
以上はあくまで例ですが、読書習慣を始めるためのスタートとして、短く読みやすく、内容が心に残る物語がオススメです。
ぜひ、読書習慣を身につけ、新しい人生を切り開くために参考にしてください。